亀山家、縁側。届いた木箱のふたを開けるエリー。「これ。」と、エリーが言う。もみがらに埋もれ、大玉の赤いリンゴが顔を出している。政春が「おお、リンゴか~。」と、声を上げた。エリーが荷札を政春に手渡す。差出人は、北海道余市町春川36番地 森野熊虎。

「あっ、熊さんじゃ!」と、声を上げる政春。エマが、不思議そうに「熊さん?」と、政春に尋ね、エリーも政春を見つめる。政春は、「ほれ、前に、話したじゃろうが。北海道のニシン漁師の。」と、興奮気味に言った。エリーが、「あ~、ウイスキー、買ってくれた?」と、思い出す。
政春は「ほうじゃ、ほうじゃ。熊さんが、北海道のリンゴ送ってくれたんじゃ。」と、言って、りんごを一つ手に取り、見つめながら、「懐かしいのう。また、いつか行ってみたいのう。」と、春先、ニシン御殿で、熊虎や漁師のみんなと、ソーラン節を歌ったり、ウイスキーを試飲してもらったり、泥炭を見つけたり、川の中をじゃぶじゃぶと歩き回ったあの日の事を思い浮かべ、口元が緩む政春だったが、その表情が浮かない顔に変わり、その変化をエリーとエマが、黙ったまま、じーっと見つめている。エリーの視線に気付いて、ちらっと、目線をエリーに向け、うろたえた様子を見せた後、政春は、「エマ、
今度の休み、川に釣りにでも、行くか?」と、誘った。
エマは、「行く~!」と、即答。政春は、「よっしゃ。へじゃ、お父ちゃんが、
本、読んだろう。」と、言って、エマに手を伸ばし、抱きかかえ、立ち上がる。エマは「読んで、読んで!」と、大はしゃぎ。政春は「ああ、よっしゃ。」と、言って、寝室へ行き、「ああ…。」と、エマをベットに下ろしたのか、声を上げる。縁側に残ったエリーは、不安げな顔で、リンゴ箱を見つめ、すっと顔を上げ、まばたきを繰り返した。

山崎工場の研究室。ブレンドしたウイスキーを試飲している政春。そばに英一郎が立ち、様子を見守っている。政春は、グラスを置き、原酒の瓶を手に取り、スポイトで2滴、グラスの中に入れ、香りを確認。もう一度、試飲する。じっくり吟味(ぎんみ)して、顔を横に向け、「これで、どうじゃろうか?」と、英一郎にグラスを渡す。英一郎は、グラスを受け取り、香りをかぎ、試飲。「さすがに…、コクが、なさすぎ、ちゃいますか?」と、言うと、政春は、英一郎の手からグラスを奪うようにして、もう一度試飲する。テーブルに右肘(ひじ)をつき、眉間にしわを寄せつつも、「大丈夫じゃ。ギリギリ、風味は残っとる。」と、言う政春に、英一郎は「そうですか?」と、納得いかない様子。

 

鴨居商店、社長室。

ブレンドしたウイスキーを欣次郎(きんじろう)は、香りをかぎ、試飲してみる。向かいの席に座っている政春、席を立ち、椅子に右手をかけ、テーブルに左手をついて父の反応をじーっと見ている英一郎が、欣次郎の感想を心して、待っている。英一郎は「味も香りも、前に発売された鴨居ウイスキーより、はるかに、柔らかくなってますよね?」と、欣次郎に同意を求める。欣次郎は、「まだ、あかん。煙臭い。」と、がっかりした様子。政春は、うつろな目になる。英一郎は、「これでも、ですか?工場長と一緒に、もう一回、全ての樽を見直して、一番、スモーキーフレーバーの少ない原酒を中心に…、」と、苦労話を語り、訴えるが、欣次郎は「理屈は、どうでもええ。これでは、まだ、飲みやすいウイスキーになってへん。」と、厳しい指摘。がっくり肩を落とし、うつむく英一郎。欣次郎は、政春に「今の日本人は、もっと、もっと、飲みやすいウイスキーを求めとる。」と、語る。うつむく政春。英一郎が、「今、うちの貯蔵庫にある原酒では、これが、精一杯です。」と、言い、椅子に腰を下ろし、「せめて、他の工場で造られた原酒を使(つこ)うて、ブレンドせんと…。」と、うつむきながら、発言した。欣次郎が「他の工場?」と、口をはさんだ。英一郎は目線を父に向け、「ですから、スコットランドから原酒を輸入して、うちの原酒と…。」と、太陽ワイン(※原酒は外国産ワイン。それに香料や甘味料を加え、その為<イミテーション>と、嫌みを言われた事のある酒)のように、原酒は外国産、それに自社の原酒を混ぜ合わせる事を提案する。欣次郎は、「わてらが造るのは、あくまで、メイド・イン・ジャパンのウイスキーや。」と、英一郎に言い聞かせるように話し、「なあ?マッサン。」と、今度は政春の顔を見る。ウイスキーは、輸入ウイスキーを使わず、日本で産み出す原酒にこだわる事については、欣次郎と思いは同じ。政春はうなずき、「はい。」と、欣次郎の目を見つめ、返事をした。欣次郎もうなずき、「まだ、やれる事はあるはずや。」と、言う。政春もビジネススマイルを浮かべ、「なんとか、やってみます。」と、答えた。欣次郎が席を立ち、ぐるーっとテーブルを回って、2人の方に向かう。英一郎が「工場長…。」と、政春に呼びかける。うつむく政春。欣次郎が、政春の後ろに立ち、左手をがしっと政春の右肩に置き、「頼んだで!」と、気合いを入れる。欣次郎のその行動は、政春の心にずっしりと重荷を与えた。戸惑いながらも「はい!」と、答える政春。欣次郎は部屋を出て行った。

英一郎は、椅子を引いて、政春の方に椅子ごと向き直り、「どうするつもりなんですか?」と、問いただす。政春は、少し間をおいて、席を立ち上がり、「よっしゃ。今後のために、ピートを炊かずに、乾燥させた麦芽でも、蒸溜しとこう。」と、案を出した。「そうすりゃ、絶対に、煙臭(くそ)うて、飲みにくい原酒には、ならんけん。」と、言う。英一郎は「そんな事したら、それこそ、工場長のウイスキーや、なくなります!」と、反対する。その2人のやりとりを欣次郎は廊下で聞いていた。首をかすかに横に振り、階段を下りていく欣次郎。政春は、「そう、カッカするなって。」と、まるで少し前の政春のコピーのような、英一郎をなだめた。

 

仕事帰りの政春が、こひのぼりののれんをくぐり、「こんにちは!」と、声をかけ店内へ。

客が途絶え、制服姿の巡査と将棋をうっていた春さんが、「おっ!マッサン、久しぶりじゃのう。」と、驚く。政春は笑顔で帽子を取りながら、「久しぶりです。」と挨拶をし、壁の方を向いて、椅子に座る。春さんの斜め後ろのカウンター席にいるキャサリンが、「何や知らんけど、あんた、大人になったんやて?真面目すぎる、いうて、エリーが心配しとったで。」と、冷やかした。春さんが「どうじゃ?ウイスキーの調子は。今度こそ、うまいウイスキー、造りょうるんじゃろのう。」と、尋ねると、政春は、振り返って、じろっと春さんに目を向けた。春さんは、「前のみたいに、煙臭いのは、かなわんど!分かっとるんけぇ?」と、挑発するように立ち上がり、秋が、「お父ちゃん!」と、声をかけた。政春は、いつものように、くってかかるのではなく、へらっと愛想笑いを浮かべ、「今、何とか、皆さんの期待に応えられるよう、一生懸命、頑張っとります。」と、笑った。「調子、狂うのう…。」と、巡査やキャサリンとチラチラ目を合わせながら、椅子に座り直す春さん。政春は、上着を脱ぎ始める。巡査も政春の様子を気味悪がり、「いつもやったら、<何じゃと、タコ!>言うて、言い返してくるんやのにな。」と、話す。秋が不思議そうに首をかしげながら、「お茶、どうぞ。」と、政春に茶を運んで来た。背広をたたみながら「ああ、ありがとう。」背広を隣の席に置き、久しぶりに秋の顔を見て、「あれ?秋ちゃん、ちいと痩(や)せたか?」と、話しかける。えっ?と首を突き出し、眉間にしわを寄せる秋。ハハハッと笑う政春。秋は気味悪そうに、政春を見ながら下がる。キャサリン達と政春の背中をじーっと見つめる秋。政春が視線を感じ、振り返って「皆さん、どうされたんです?」と、珍しく敬語で話しかける。巡査が席を立ち、キャサリン達に「分かった!魂、吸い取られてしもうたんや。」と、発言すると、キャサリンが、「何や?それ。」と、顔をしかめる。春さんは手でジェスチャーしながら「バリバリバリバリ~ッて、雷に打たれて、頭、おかしゅう、なったんかのう。」と、言い出す。キャサリンが「ラッキョみたいな顔して、訳分からん事、言わんといて。」と、怒る。春さんが「どこがラッキョじゃ、お前!食えるもんなら、食ってみい。食え!」と、怒る。政春が湯飲みを手に、そのやりとりを見て笑う。秋がテーブルをパンパン叩いて、「うるさい!」と、父を叱る。

春さんは頭から光線を出すような手振りで「バリバリバリ~ッ!」と、秋に向け、ジェスチャー。秋が「うるさい!」と、また怒鳴る。「バリッ。」と言って、政春がこっちを見ている事に気付いて、方向を変え、「おっ、バリバリバリ~ッ!ほら、ほら。バリバリバリ~ッじゃ、ほら。バリッ、バリッ、バリバリバリ、バリッ…。」と、熱演するが、政春は「ハハハッ…。」と、笑っただけで、体の向きを直して、お茶をすする。拍子抜けしてしまい、やはり政春の様子がおかしいと、顔を見合わせ、黙り込む一同。

 

山崎工場、事務室。「おい、英一郎!」と、白衣姿の政春が木箱を抱え、「おお、おお…、出来たど。これじゃ!」と、興奮してやって来た。大宮と本を広げ、打ち合わせらしき事をしていた英一郎や応接セット付近で休憩していた工員達が注目する。政春が持って来た木箱の中身を見て、英一郎が「麦芽やないですか。」と、言う。政春は「ああ。おっ、嗅いでみい。」と、うながす。英一郎は手ですくい、香りをかぐ。「ピート臭がない。」政春は「この麦芽は、のう、ピートを炊かずに、乾燥させたんじゃ。」と、種明かし。英一郎が、呆れたように、「ほんまに造ったんですか?」と、言った。政春は「ああ。初めから、ピートを炊かんかったら、ピート臭い原酒にはならんけんのう。」と、話す。英一郎は「そうやけど…。全くピートを使わへんウイスキーなんて、工場長のウイスキーや、ありませんよ。」と、反対する。大宮も2人の話に聞き入る。
政春は「わしのウイスキーとは、違うわ。ジャパニーズウイスキーを造るんじゃ! 今、わしらに求められとるんは、のう、日本人が飲みやすいと思えるウイスキーじゃ。」と、語る。
英一郎は「そら、そうですけど…。」と、これまでのこだわりを捨て去ろうとする政春に反発。

政春は「この麦芽をもろみにして、出来次第、蒸溜してみよう。のう? よっしゃ!」と、木箱を抱え、事務室を飛び出していく。英一郎が、席を立ち、「工場長!」と、声をかけるが、政春は振り返ることなく、出ていった。呆気にとられる一同。額にこぶしを当て、悩む英一郎。
大宮は、「工場長、どないしたんですかね?前は、あんなに、ピートにこだわってたのに…。」と、一転した政春の事を気にする。英一郎は、はあっと大きくため息をつき、椅子に腰を下ろして、悩みにふける。

ポットスチルのふたから材料を押し込む。その様子を反対側の窓から、ヤンキー座りで、見守っている政春。

ナレーション:数日後、ピートを使わずに乾燥させた麦芽のもろみが完成すると、マッサンは、早速蒸溜する事にしました。

大宮と共に、駆けつけた英一郎が「ほんまによろしいんですか? ピートを使わへんウイスキーやなんて、工場長が造るウイスキーやないでしょう!」と、反対するが、政春は、「そがなこたぁない! 」と、言って、立ち上がり、「使えるか、使えんかは、蒸溜したあと考えりゃええんじゃ。」と、言う。投入が終わり、ポットスチルのふたを中村が「おっ…。」と、声を上げながら、締め上げた。政春、英一郎達が、そちら側に移動してくると、中村は、「工場長。着火してもよろしいですか?」と、確認する。政春が「ああ、頼む。」と、言うと、英一郎は「工場長、考え直して下さい!」と、意見する。政春は、英一郎の意見に耳を貸さず、「着火せえ!」と、押し切る。
中村は、「へえ。」と、答え、他の工員共々、下の炉へ移動。

 

炉の薪(まき)に火を点火。炉の中に石炭をくべ、温度を上げていく中村。


政春は、階段を下りながら、白衣を脱ぎ、「これで間違いなくスモーキーフレーバーのない原酒が出来るど。」と、意気込む。脱いだ白衣を後ろをついてくる英一郎に渡し、「おい、貸してくれ。」と、中村に交代を命じる。「…へえ。」と、戸惑いつつ、政春にスコップを譲り渡す、中村。

政春は自ら石炭をどんどん炉にくべ、汗を流す。そんな政春の様子を英一郎は、他の工員と共に、眉間にしわを寄せ、見守るばかり。

 

ナレーション:飲みやすいウイスキーのためには、できる事は、何でもやる。そして…。

 

研究室。うつろな目をして、透明な蒸溜液をスポイトですくい、ビール並みのうすい小麦色の液体に3滴たらす政春。グラスをすっと前に出し、英一郎に試飲してもらう。
香りをかぐ英一郎。「においがない。」政春が、ほっとしたように、「ほうじゃろう。」と、言った。
英一郎が、「何で、です?」と、怖い顔で尋ねた。政春は「希釈(きしゃく)したんじゃ。」と、打ち明ける。英一郎が、とがめるように、「希釈…?
」と、繰り返した。政春は「ああ。飲んでみい。」と、すすめる。試飲する英一郎。すかさず、「どうじゃ? 飲みやすいじゃろう?」と、確認する政春。英一郎は、失望したように、「コクも、力強さもない。」と、ぽつり。政春は「それが、飲みやすいウイスキーじゃ。」と、言う。英一郎はグラスを置き、「何で、希釈なんかしたんです?」と、怒って、問いただす。政春は「決まっとろうが。飲みやすうするためじゃ。」と、答えた。
英一郎は「スモーキーフレーバーを薄める事だけが、飲みやすくする手段なんですか?」と、問いつめる。政春は、以前のように、くってかかる事もなく、「それ以外の考えがあるんじゃったら、教えてくれよ。わしには、もう、これしか考えられん。」と、以前のスモーキーフレーバーにまっしぐらだった猪(いのしし)ぶりが、すっかり、なりをひそめてしまった。
英一郎は。「工場長!このウイスキー、うまいと思います?」と、質問を変えた。目を閉じ、政春は、フラスコに入った原酒をつかみ、立ち上がり、「わしがうまいと思うかどうかは関係ない。」と、言って、瓶にフラスコの中身を移し替える。「お客さんが、飲みやすい、思うてもらえりゃ、それでええんじゃ。」英一郎は立ち上がって、政春のそばに行き、じーっと何も言わず、政春をにらむように見る。「何じゃ、その目は。とにかく、これで、大将に飲んでもらおう。」と、言う政春は、英一郎と目を合わせる事を避けるように、その場を離れ、部屋を出て行った。


鴨居商店、社長室。黒沢達や鴨居商店のはっぴを着た社員達が集まっている。テーブルの上に一列に並べられたグラス全てに新しいブレンドウイスキーを注いだ政春。まず、欣次郎が試飲し始めた。それを見て、黒沢や社員達もグラスを手に取り、飲んでみる。欣次郎の反応をじーっと見守る政春。紺野が、真っ先に、「うん、飲みやすい。」と、感想を述べた。黒沢も「今までのと、全然ちゃいますな。」と、評価。規子が「焦げ臭さがなくなってますよね。」と、皆の方を見て、言った。白井も「ああ。これやったら、売れるんちゃいますか?」と、欣次郎の方を向いて、言った。初めて、会社のみんなから高評価をもらい、安堵した顔つきの政春とは対照的に、むっと怒ったような顔で、一点を見つめている英一郎。欣次郎は、社員達の反応を見て、うなずき、「よし! これでいこう!」と、決断。政春は、ほっと安堵し、「ほんまですか?」と、尋ねた。英一郎は、「ちょっと待って下さい!これは、工場長のウイスキーや、ありません。」と、一人反対意見を述べる。政春が「英一郎。」と、声をかける。英一郎は、以前の政春のように、「第一…、いくら飲みやすくても、ウイスキーの風味やコクも、ないものを売り出すことは、反対です!」と、ズボンのポケットに手を突っ込み、反対のポーズをとる。上座から、欣次郎がつかつかと歩いてきて、「何を言うてるんや。工場長は、わての注文どおりに、ブレンドをやり遂げてくれたんや。工場長…、ご苦労さん!」と、頭を下げ、政春をねぎらう。
規子が「ご苦労さまでした!」と、言うと、一同拍手して、「ご苦労さまでした。」労をねぎらう。

政春は頭を下げ、「ありがとうございます!ありがとうございます!」と、目を潤ませる。欣次郎も皆と共に、拍手。政春は天を仰ぎ、ふうっと息を吐き、ずっと続く拍手にウンウンとうなずき、涙をこらえる。英一郎は一人拍手もせずに、政春を見つめ、たたずんでいた。

ナレーション:やっと、苦労に苦労を重ねたウイスキーが、完成しました。

亀山家の夕食。仕事が一段落をした知らせを聞き、今夜のメニューは、ばら寿司(ちらし寿司)と揚げ物、汁物がテーブルに並ぶ。お祝いなので、エマには、サイダー付き。
エリーが、「マッサン、新しいウイスキー完成、おめでとう! おめでとう!」と、言って、エマの腕を揺すり、エマにも「おめでとう!」と、言わせる。エリーが「あ~、おめでとう!」と、言って、エマと2人、拍手する。照れくさそうに、政春が「ありがとう。」と、答えた。エリーが、エマに「お父さん…。」と、小声でうながし、エマが「お父さんのウイスキー、おいしい?」と、尋ねた。
政春は、一瞬顔を曇らせ、うつむき、黙った。そして、「ハハッ…、おいしいど!」と、エマに顔を近づけ、笑みを作った。エリーがその様子を見て、心配そうな顔つきになる。エマは「エマも飲んでみたい!」と、言った。政春は、「へじゃ、大きゅうなってからのう。」と、言って、エリーを見て、「
さあ、食べよう。頂きます。」と、言った。エマも「頂きま~す。」と、挨拶。政春は、「エマ、お皿。」と言って、エマの皿を受け取り、大皿に盛られたばら寿司を小皿によそってやる。エリーは、笑みを浮かべ、政春の姿を見つめつつ、政春の本心に気付き、どうすればいいのか、悩むような顔を見せつつ、目があった政春には、微笑み返していた。


ナレーション:エリーの胸騒ぎは、確信に変わりました。
ウイスキーの完成を喜ぶどころか、マッサンは、苦しんでいる。

 

明日へつづく。

 

※冒頭の木箱に入ったりんご。輸送方法としては、昭和50年半ば位までは、あんな感じで、木箱に入れて、小包送りされていました。調べてみると、みかんの方が早く、段ボールでの輸送に切り替わったみたいです。

リンゴと一緒に入っているもみがらは、今だと、緑色などの一個一個すっぽりリンゴがおさまるような入れ物であったり、発泡スチロール性の網(あみ)が、リンゴや桃、高級柑橘(かんきつ)類などに、かぶされてますけど、そういう便利な梱包(こんぽう)グッズが無かった時代、輸送中に、リンゴやみかん同士がぶつかり合って、痛んでしまうのを防ぐ為に入れられていました。